2008年05月22日

続(2) 入れ歯の独り言

部分庄義歯(編)
前回は総義歯についてお話しましたが、今回はまだ残存歯が残っている状態パーシャルデンチャー)についてお話したいと思います。

左の写真は上顎の左側第2小臼歯と第1大臼歯、反対側右側の第2小臼歯第1大臼歯第2大臼歯が喪失して無くなったものを印象(形)を採り、石膏模型にして、これから部分庄義歯を作る準備をしたところです。



蝋形成(ワックスアップ)された部分義歯
 部分庄義歯の維持装置は、鈎(クラスプ)といわれているもので、普通は鋳造鈎(キャストクラスプ)とも呼ばれパラジュウム合金でできています又クラスプは鈎歯(クラスプが架かる歯)をグルリと把握しているバネのようなものです、又クラスプは写真で見られるような三角形のレストという義歯の沈下を防ぐためのものを有しております。鈎歯は骨植も良く歯周病もないクラスプにかかる圧力、及び交合圧に耐ええる頑丈な歯でなければなりません。
又粘膜面中央に見られるバーは、パラタルバーと言う左右の庄を連結して強度を高める役をしています。

鋳造鈎の機能について

鋳造鈎は部分義歯を維持安定する重要な役割を担っています、只単に鈎歯をグルリと把握しているだけではありません
即ち上記の絵に見られるクラスプサベヤーなる装置を用いて、歯の最高豊隆部の下の方にある、アンダーカット(鋳造鈎だけに適用される)0・25mmを捜しだして鋳造鈎の先端がそこのところに入るように鋳造鈎のワックスアップを行いロストワックス方にてパラジュウム合金を鋳造します、このことによって部分庄義歯がそのアンダーカットによって容易にはずれないよう工夫されています。

上記のロストワックス方について判りにくいと思いますので、ここで一応説明させていただきます。
鋳造鈎をワックスアップ(蝋形成後、上記の絵のブルーのように)したならば、これを石膏模型からはずして、クリストバライトと言う埋没剤にて埋没し、クリストバライトが固まったなら、これを常温から温度を700度まであげて行き700度に達したら,すでにワックスは蒸発しており、鋳造鈎の原型だけが空洞になっています。
その空洞にバーナーで溶かしたパラジュウム合金を、遠心鋳造機なる機械で流し込みます。
これで一応、部分庄義歯の説明を終わりますが、後は総義歯のところで述べたように、義歯を重合して、仕上げます。

最後に部分庄義歯を使用していて、簡単に義歯が外れるようになったなら、担当の歯科医師にこれを話して、鋳造鈎を
ベンデング(プライヤー)などで、少し、曲げてもらい、鋳造鈎の先端がアンダーカットに入るように調節してもらいましょう。

いろいろと、書いてきましたが、私の文章力では,判りにくいところも有ったと思いますが、そこのところは、ご容赦願えれば
幸甚に思います。







  


Posted by alittlestar at 16:35Comments(4)